子宮の病気が原因で起こる生理痛「器質性月経困難症」

器質性月経困難症

器質性月経困難症

機能性月経困難症はホルモンの過剰分泌や冷えなどから起こる生理痛です。鎮痛剤を服用すると症状が緩和することが多いのですが、鎮痛剤を服用しても改善しない場合は子宮の病気が原因で起こる器質性月経困難症である可能性が高いです。

器質性月経困難症とは?

「子宮内膜症」や「子宮筋腫」「子宮腺筋症」などの病気を原因とした器質性月経困難症は、病院を受診し適切な治療を受けなければ完治できません。器質性月経困難症の原因となる子宮の病気とはどのようなものなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

「子宮内膜症」

生理がある女性の10人に1人が発症する、といわれている病気です。年々患者さんの数も増え、最近は20代前半の人にも多く見られるようになりました。子宮内膜症とは、子宮の内側以外の場所に子宮内膜と同じような組織が作られる病気です。この組織は生理の度に剥がれて出血するわけですが、何度も繰り返されると周囲の組織とくっついて剥がれにくくなるので、強い痛みが出るようになります。普段通りの生活を送れないほど生理痛がつらい場合は、子宮内膜症である可能性が非常に高いです。子宮内膜症は生理の度に症状が進行します。生理痛が毎回ひどくなっているなら早めに病院を受診することをおすすめします。

「子宮筋腫」

子宮筋腫とは子宮にできる良性の腫瘍のことで30歳以上の女性に見られる病気です。子宮筋腫は女性ホルモンであるエストロゲンによって大きくなるともいわれています。筋腫ができる場所や大きさ、数、成長のスピードには個人差がり、症状もさまざまです。「生理痛がひどい」「経血量が増える」などが代表的な症状ですが、「不正出血」や「貧血」「腰痛」「頻尿」などの症状が起こることも。筋腫ができた場所や症状によって治療の有無が決まりますが、小さくて症状がない場合は治療しないこともあります。

「子宮腺筋症」

子宮腺筋症とは、子宮筋腫や子宮内膜と同じような組織が子宮の筋肉内にできてしまう病気のことです。子宮筋腫と同じように女性ホルモンの影響を受けやすいのが特徴です。「生理痛がひどい」「経血量が増える」などの他に、「貧血」や「腰痛」「生理時以外の腹痛」「排便痛」などの症状もあります。また、子宮筋腫や子宮内膜症を合併している場合もあります。症状が軽い場合は治療しないこともあります。

早めに病院の受診を

「経血量が通常よりも多い(ナプキンの交換頻度が2時間以内)、または少ない(ナプキンの交換頻度が1日に1~2回)」「生理の日数が8日以上、または1~2日と短い」「出血がだらだらと続いている」「生理周期がバラバラ」「レバー状の固まりが出る」「今までに経験したことのないような強い痛みを感じる」などの症状が見られた場合は子宮の病気である可能性が非常に高いです。早めに病院を受診しましょう!